シンガポールに到着して4日後の8月9日は、National Day of Singaporeといってシンガポールの独立記念日でした。しかも今年は独立60周年ということで、至るところに”SG60”と書かれた看板、モニュメントが見られ、National Museumの前の広場にはセレモニーのために仮設座席が並べられていました。日本の建国記念日ではこうはならないだろうとその熱量に感心しながら、私はショッピングセンターのSG60セールでスーツケースに入りきらなかった生活用品を買いあさっていました。
シンガポールは、3年前同じくCampus Asia+プログラムの超短期留学で2週間ほど滞在しました。その時に、街の雰囲気が過ごしやすいと思い、今回の4か月間の留学にエントリーしました。シンガポールに到着して3週間が経とうとしていますが、やはりこちらでの生活は日本と比べてストレスになることは少ないです。
◆シンガポールの過ごしやすさ(交通)
一番の要因は何だろうと考えると、交通や移動にストレスが少ないところが日本と似ている点があるのかなと思いました。まず、シンガポールの車の通行方向は日本と同じで左側通行です。別に車を運転するわけではないですが、歩道を歩くときや道路を渡るときに車の動き方が直感的にわかるというのは、安全に過ごすためには重要なことです。
シンガポールの鉄道も東京の地下鉄のように充実していて、気に入っています。シンガポールには、Mass Rapid Transit(MRT)と呼ばれる鉄道が、全土に引かれており、中心部への移動は基本的にMRTを利用します。最近日本でも始まりましたが、クレジットカードのタッチのみで利用できるところは、カードを買ったりチャージしたりする手間が省けて便利なポイントです。
大学内には、無料のバスが走っています。バスには、大学を周回するものと、大学の中心と大学最寄りのPioneer駅をつなぐ路線があり、学生はこのバスで寮から講義室や研究室、あるいは駅まで移動することができます。また、Pioneer駅の隣駅で、ショッピングセンターがあるBoonley駅まで移動できる有料のバスも大学構内を走っているので、ちょっとした買い物や食事の際にはこのバスで大学を出ることもできます。
◆シンガポールの過ごしやすさ(決済)
シンガポールと言えば、香港や東京と並ぶアジアを代表する金融街で、そのイメージ通りほとんどの決済がキャッシュレスで可能になっています。多くの店でVisaやMasterCardといったクレジットカードが使えますが、NetsやPay Now, Pay Lahといったシンガポールの銀行口座と紐づいた決済手段のみしか利用できない場合も多く、ビジターにとっては少し不便だと思うこともあります。学生証にNetsの決済機能がついているのですが、Suicaのようにプリペイド方式なので結局駅などでチャージする必要があり、それなら現金でもいいかなと思ってしまいます。
ただ、キャッシュレスももちろん進んでいる一方で、現金にもある程度優しいのがシンガポールの良いところだなと思います。お国柄、外国人が多くやってくるためか町のいたるところに両替店があり、割と良いレートで各国通貨からシンガポールドルへの交換が可能です。私は羽田空港で両替した分が余っているのでまだ利用していませんが、日本円さえあれば、何とか過ごせそうだという安心感があります。
◆シンガポールの過ごしやすさ(現地人)
シンガポール人は、優しい人が多いなと思います。シンガポールに到着した日、寮の鍵を受け取り、部屋に入ろうとしたのですが、鍵の開け方が特殊で部屋を開けられないでいると、寮生が立ち止まってやり方を教えてくれたり、バスターミナルでバスを待っているとここに並んでもバスは来ないと目の前にいたお姉さんが声をかけてくれたりなど、わずか3週間ですが、現地の人に助けられた経験は多いです。
一方、シンガポールは準独裁国家と呼ばれることがあるように生活における規制が多いことも事実です。有名な外でガムを噛めないといった話のほか、アルコールは午後10時半以降購入できないことや、公共交通機関での飲食に高い罰金が科されるなど様々な規制対象があります。こういった治安維持の制約には賛否ありますし、外での行動には何かと注意しなければならないと感じますが、日本人的に普通にしていれば、何も気にすることはないのかなと思っています。
◆シンガポールの過ごしやすさ(スケール感)
先ほど、大学の中にバスが走っていることに言及しましたが、よく考えると日本では(特に東京では)あまり考えられないスケールの大きさではないかと思います。NTUには、大学としての機能のほかに、23の寮とスーパーなどの生活品店、ファストフード店や3,4店以上店が入った食堂と大学構内でずっと過ごせてしまう環境が完備されています。
こんなにも広い大学なので、実は現在、大学を横断するようにMRTの新線が建設中で、大学内にも3駅ほどできる予定になっています。大岡山も大学を分断するように線路が通っていますが、大学の中に鉄道駅が3つもできるというのは恐ろしさすら感じてしまいます。ちなみに新線計画は、まだあるらしくMRTの公式サイトでは2030年前半までに総延長360kmまで延伸し、地下鉄の総延長としては東京や香港を抜いてロンドンやパリに匹敵する規模になると紹介されています。東京23区と同程度の国土面積にもかかわらず、まだ大規模な成長の余地があるシンガポールには驚くばかりです。
シンガポールの過ごしやすさについて少しは感じていただけたでしょうか?次回は、食生活に焦点を当ててシンガポールの紹介をしたいと思います。それでは!