21日から発熱と咳の症状が現れました。ルームメイトが一週間前からインフルエンザに罹患していたため、うつされたのだと思いました。幸い、シンガポールに来る前に大正風邪薬を準備していたので、すぐに服薬しました。ルームメイトにも薬を分けてあげたため、私の手元には3日分しか残っていませんでした。3日目には熱は下がったものの、喉に痰が絡み、ひどい咳と呼吸困難に見舞われました。呼吸が苦しくてほとんど眠れず、精神的にもかなり参ってしまいました。ところがその日は金曜日で、クリニックが開いているかわからず、保険証に記載された番号にも繋がりませんでした。そこで月曜日まで待ってCampus Asiaの事務所に連絡したのですが、その頃には咳のし過ぎで喉が腫れ上がり、まともに話すこともできない状態でした。大学のサポートで保険医療サービスを利用することになり、保険会社が最寄りのクリニックを紹介してくれ、タクシーでの受診を勧められました。
紹介されたクリニックは日本風の医院で、スタッフもシンガポール人医師も日本語が話せるため、とても心強く感じました。医師はCOVID-19、マイコプラズマ、ウイルス検査を実施しましたが、すでに服薬してから約7日が経過していたためか、全て陰性でした。そこで血液検査を行い、呼吸器の細菌感染として治療することになりました。ところが処方薬を服用しても症状は改善しませんでした。夜横になると気道が狭窄する感じがして、息を吸うことと吐くことを同時に行うのが非常に困難でした。日本では、このような場合、医師は気管支拡張薬を処方し、同じ効果のある貼り薬も併用して患者の呼吸を楽にしてくれます。しかしシンガポールにはそうした薬がないようでした。医師に相談しても、気管支拡張薬の処方には消極的でした。やむを得ず寮に戻り、自分の免疫力に頼るしかありませんでしたが、その夜も眠ることができませんでした。
数日間まともに眠れず、精神的に限界に達していたため、再度病院を受診しました。医師が毎回あまり意味のない検査ばかりするのは、保険制度と関係があるのではないかと気づきました。そこで3回目の受診時、医師に率直に要求を伝えました:「今日はどんな検査でも協力しますが、気管支拡張薬を処方していただきたい。もしいただけないなら、自分でマレーシアのジョホールバルまで買いに行きます」。その結果、血中酸素濃度の測定やその他の検査を経て、ようやく希望する薬を処方してもらえました。その夜は症状が大幅に改善し、ぐっすり眠ることができました。
ただし咳は依然として続いており、主な原因は後鼻漏と喉に溜まった大量の分泌物でした。処方された薬を詳しく調べてみると、第一世代の抗ヒスタミン薬と2種類の去痰薬でした。日本では花粉症患者が多いため抗アレルギー薬の開発が進んでおり、通常は第二世代や第三世代の薬剤を使用します。処方された第一世代の薬は私には効果がありませんでした。また、去痰薬の一つであるレフトースは、日本では臨床的に無効として販売中止になった薬剤でした。もう一つの去痰薬は効果的でしたが、医師に相談したところ、適切な用量での処方を拒否されました。ところがこの薬は市販薬であることがわかったので、頻繁に通院するのも面倒だと思い、自分で薬局に買いに行き、規定用量で3日間服用したところ、咳はほぼ治まりました。
まとめ
今回の受診経験から、シンガポールは日本と同様に効率的な段階的医療制度を採用していますが、日本が専門特化した一次診療所中心であるのに対し、シンガポールは総合診療所が中心という違いがあります。これにより、医師が特定の疾患分野に精通することが難しくなる傾向があります。そのため、シンガポールで病気になった場合は、医師との対話において自分のニーズを明確に伝えられるよう、事前に関連する処方薬について調べておくことをお勧めします。
また、私の経験が特例かどうかはわかりませんが、処方された薬の多くが市販薬レベルで、日本での使用状況とも違いがあったため、万が一に備えて日本の薬を多めに持参することをお勧めします。さらに、日本人向けのクリニックの中には年中無休のところもあるため、医療ニーズが生じた際は平日を待つ必要はなく、いつでも保険会社に連絡可能です。最後に、日本人医師のいるクリニックもあることがわかったので、保険会社に日本人医師の診察を要求することもできます。日本人医師の方が日本国内の薬事情に精通しており、より適切な治療を受けられる可能性があります。
今後のCampus Asiaの学生の皆さんが医療サービスを利用する事態に遭遇しないことを心から願っています。
添付した写真は診療所の隣にあった広告で、面白いと思って撮影しました。海外でも塾に通って勉強するんですね。


