【NTU】いい街、シンガポール~食生活編~(東翼)

 シンガポールに来てから、世界各国のニュースを見るようになりました。日本にいるときは国内の話題に触れておけば十分かと思っていたのですが、世界各国のことを知っておいた方が、いろいろな人と話しやすいのかなと思ったからです。そうはいっても、スマホの中には日本のニュースサイトがたくさん入っているので、そちらの方を優先してみてしまいます。猛暑に台風など、最高気温がせいぜい30度までで午前中には雨も降りやむシンガポールに比べて、日本は本当に厳しい気候なのだとしみじみ感じます。
 一方、秋刀魚が安くておいしい時期になったそうで、本当にうらやましい限りです。シンガポールに来てから、秋刀魚のような脂がのっている魚を見たことがありません。実はあるのかもしれませんが、私が出会ってきた限りだと、大きさはそれなりにあるけれども、味が淡白で、必ず唐辛子などの香辛料で煮てあるものが多いです。いつか社会の授業で習った、日本周辺には潮目があり、豊富な漁場になっているというのは、世界と比べてもそうだったのだなと感じます。
◆シンガポールの食生活(食べ物)
 シンガポールは、華僑の国ということで、至る所に中国文化の影響が残っています。食べ物も例にもれず、中国の食べ物や食生活が主軸になっています。シンガポールで有名な食べ物といえば、チキンライスですが、元をたどると中国の海南省出身の料理です。シンガポールのチキンライスはオムライスのケッチャプライスのようなものではなくて、香辛料で炊いたコメの上にカットされた鶏肉がのっているもので、絶妙なご飯の味付けと鶏肉の食感が合っていておいしいです。シンガポールの国民的料理と言われることも多いようですが、現地の人はそんなに頻繁に食べていないような気がします。日本人が寿司を毎日食べるわけではないことと似たようなものかもしれません。
 では、シンガポールの人はいつも何を食べているのかと言われると、Economy riceと呼ばれるワンプレートのご飯が人気な気がします。これは、白米とショーケースの中にある惣菜の中から3種類ほど自分の好きなものを選ぶ料理で、どこの食堂に行っても店がある定番の料理です。自分でカスタマイズして、食べられる点がよいです。これも中国系の料理だそうで、惣菜の中身は確かに中華系のご飯が多いです。
 中華系の料理ばかりなのかと言われれば、そういうわけでもなく、多民族国家のシンガポールらしく様々な国の料理が並んでいます。インドカレーや、ビリヤニ、トムヤムクンといった日本でも有名な近隣諸国の名物料理のお店もあります。日本では、マイナーな近隣諸国の料理も当然多くあり、私が気に入っているのはNasi kerabuというマレーシアの料理です。これもまたワンプレートに目玉焼きや揚げた手羽元、小魚、キュウリ(日本のものより直径が3倍くらいある大きいもののスライス)、ご飯がのっているのですが、お米は青っぽく着色されています。どうやら、チョウマメという青い花を着色料として入れて炊くみたいですが、なぜ青くするのかはよくわかりません。ただ、見た目に反して味はすごくおいしいです。
◆シンガポールの食生活(飲食店)
 シンガポールには、Hawker centreと呼ばれるフードコートが大学内含め街の至る所に設置されています。この中に先ほど述べたような食事のお店が入っていて、食事を摂ることができます。ただ、日本のフードコートのように室内にあるわけではなく、半分屋外のような場所にあるため、衛生環境としては日本ほど良くないのかなと思ったりします。
 ショッピングセンターなどに行くと、いわゆる日本のフードコートみたいな場所があり、マクドナルドやKFCといったチェーン店もたくさんあります。大学内にもマクドナルド、サブウェイ、スターバックスとグローバルなお店が入っていて、お昼時には日本と変わらず混雑しています。
◆シンガポールの食生活(日本食)
 シンガポールでも、日本食は人気らしく、大学近くのショッピングセンターには回転寿司屋が3軒入っており、Japanese streetといって、丼物や鉄板焼きなどの日本食レストランや、ミスタードーナツ、ビアードパパといった日本的なスイーツ店が立ち並んでいるエリアもあります。すき家や、ペッパーランチ、モスバーガーといった日本発のチェーン店も店舗があり、すき家では入店すると”Irasshaimase!”と声を掛けられました。
 日本のチェーン店だけではなくて、ある意味現地化したような日本食もたくさんあります。私が滞在している寮のhawkerには、Japanese bowl、つまり日本の丼ものを提供しているお店があります。お米は粘りがあったので多分ジャポニカ米を使っていたりと割と本格的ですが、かつ丼を頼んでみると、薄焼き卵の上にカツがのっていて、甘いソースが掛かっているものでした。これはこれで美味しいのですが、調味料として醤油と出汁を使っていないのが大きく違うのかなと思います。
 一番現地化が激しいと思ったのは、お弁当です。”Bento”と呼ばれていて、いわゆる日本の弁当のようにお米とおかずがある形式のものもあるのですが、サラダボウルを”Bento”として提供しているお店がありました。解釈としては、弁当と捉えられないこともないですが、サラダボウルのテイクアウトなのではと思いもします。別に他の料理をTo goにしたものを”Bento”とは呼ばないので、きっと意図があると思うのですが、よくわからないです。もしかすると数年後、これが”Bento”と呼ばれる別の食べ物として日本に逆輸入されるかもしれませんね。

シンガポールの食生活について少しはイメージがついたでしょうか?私もこちらで過ごして1カ月となりますが、まだ食べられていないものがたくさんあるので、今後も色々と食べていきたいと思います。次回は、今回少し触れましたが、シンガポールの中の「日本」に焦点を当ててシンガポールの紹介をしたいと思います。それでは!