【 KAIST】KAISTでの一ヶ月を終えて (S.A.)

KAISTでの1ヶ月間研究室留学を終えた電気電子系学士課程3年の粟倉です。KAIST到着後の数日は慣れない環境に適応するのに精一杯でとても長く感じましたが、その後は本当に一瞬で過ぎ去ってしまったように思います。


【研究室生活について】
私は有機ELディスプレイ(以下OLED)をどのようにものに応用するか(布の上にのせるか、防水加工するかなど)を研究する研究室にいました。クリーンルームに入ったり、OLEDのスペクトラムの角度依存性を調べたりする実験を行うことができました。クリーンルームは巨大な建物の一階のほとんどを占めており、非常に広いので中がたくさんの部屋に分けられていました。5つの研究室で共有して利用しているそうですが、それぞれ研究に必要な高価な備品が沢山揃っていることに感動しました。KAISTは厳密には大学ではなく国家研究機関なのですが、そのおかげか非常にたくさんの投資を受けていることを実感しました。

研究室会議にも参加することができました。メンバーは20人ほどで、OLEDの様々な応用について研究されており、一つの研究室でも研究内容がこんなにも多岐に渡るのだなと思いました。発表資料は全て英語で、発表時も全く吃ることなくとてもスピーディーに全員の発表が進められていました。時折教授からの質問や指摘があるのですが、それにもしっかり答えられており、事前に充分準備しているのだなと思いました。発表資料などは会議が始まる前に全て同一のパソコンに保存されており、教授の入室時には最初の発表者がスタンバイしているなど、チームワークの凄さに驚くと同時に、一瞬の時間も無駄にしない「効率100%」という印象を強く受けました。私も研究室に入り発表する時が来れば、この時を思い出して(研究自体は勿論ですが)このような立派な発表ができるようになりたいです。
勉強以外の点では、以前の中間報告でもお伝えした通り食事を研究室メンバーと共にすることができ、嬉しく楽しかったです。また最終日には天気がよかったこともあり図書館前の広場でピクニックをしようと誘っていただき、とても楽しく過ごせました。たった1ヶ月の滞在なのにも関わらず元々のメンバーの一員のように親しく接していただけたことに非常に感謝しています。

【研究室以外のKAIST生活について】
9月中旬にKAMFという、ミュージシャンを招いた大規模な音楽祭が二日間行われました。図書館前の広場に舞台が設置され、たくさんの屋台も出て、自由で開放的な雰囲気で、非常に盛り上がり楽しかったです。特に私の好きなBOL4というアーティストが来てくれて、会場一体となって歌い叫びながら楽しめて、人生最高に楽しかったかもしれません。

韓国は芸能大国だと終始感じました。KAMFもそうですが、これ以外にもKAISTと他校との試合のための応援公演などがあったり、学食前の道でよくバンド部が演奏していたり、構内に音楽がかかっていたりしており、日頃から音楽が身近な存在でした。週末にはソウルに行くなどしたのですが、そこでも2度も音楽フェスに遭遇しました。韓国は音楽や芸能の基盤があり、大衆も一緒に楽しむ雰囲気なのだなと感じました。

【総括】
一ヶ月間の研究室留学を終え当初の目標だった、研究室の雰囲気をおおよそ把握する、ということは達成できたと思います。また想像以上に自由な雰囲気で開放感を満喫できた1ヶ月だったと思います。留学前は難しいからと自ら論文を読むことはほぼなかったのですが、研究室内でいくつか読んだことで、論文恐怖症のようなものも払拭できました。東工大での研究室所属の際はしっかり志望研究室の論文を読んで自分に合っているかを判断し所属したいです。
全体としてとても楽しくみっちり詰まった1ヶ月でした。間違いなく参加して正解だったと思います。留学コーディネーターの方や教授、研究室メンバーの方々に感謝します!

ウェブサイト用留学体験談_添付写真_粟倉幸2.png
写真の説明: KAMFの様子