【KAIST】韓国語が話せない中で過ごした1ヶ月(柳瀬)

8月〜9月の1ヶ月間、KAIST派遣プログラムに参加しました。
いつもは「日本にいる日本人」というある種のマジョリティとして生活している私ですが、留学で「韓国に来ている、韓国語の分からない日本人」というマイノリティの立場を経験したことで考えたことが多々ありました。

その中でも特に大きかったのはコミュニケーションの方法についてです。韓国語がほとんどわからないまま挑んだ韓国留学ですが、周囲の方の優しさに救われ予想以上に楽しく快適に過ごせました。

実を言うと私は「韓国語というマジョリティの言語に合わせられない自分は、多かれ少なかれ周囲から煙たがられるだろう」と覚悟して渡航しました。KAISTでは英語が通じると言っても全員がネイティブではないので、英語でのコミュニケーションを億劫だと感じる人が多いのでは、と本当に失礼ながら考えていたのです。
しかし学内で出会った人は英語を使うことを全く厭わず、韓国人同士で話すのと同じように私と英語で話してくれました。さらに街中で出会った英語が通じない人も嫌な顔ひとつせず意思疎通を図ろうとしてくれ、私のことを「言葉が通じないから」と拒むことはありませんでした。
現地の方の温かさに触れられたと同時に、この経験が自分を見つめ直すきっかけになったと感じています。
突然分からない言語で道を聞かれたら、自分は快く対応できるだろうか...。

普段の生活でマイノリティを感じる方もいると思いますが、少なくとも私はこれまでそういった経験がありませんでした。今回あえて自分をその立場に置いたことで、これまで気付けなかった社会の一面が見えるようになったと感じています。英語圏ではない場所に英語だけで留学するという貴重な機会を経てマジョリティに戻ってきた今、何ができるかを自分なりに考えてみようと思えました。

(マジョリティ・マイノリティの話は繊細な部分もあるため、もし私の無神経な言葉に気を悪くした方がいたら申し訳ありません。)

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(写真)学内の建物の屋上です。ここで研究室の人とご飯を食べたり話したりしました