8月5日、落語家立川志の春さんをお招きして RAKUGO Live at Tokyo Tech 2014 を開催いたしました。大学の世界展開力強化事業 TKT Campus Asia,/TiROPサマープログラムの一環として2012年にスタートしたこの企画も今年で3回目となりました。
とくに留学生や外国の方々に日本文化を紹介するための企画ですが、ご覧になった皆さんが伝統文化の紹介を超えた何かを「おみやげ」に持っていっていただけるとうれしいですね、と志の春さん。
まずは落語そのものについての簡単な紹介から始まります。江戸時代にルーツを持ち、そのとき出来た噺が少しずつ改編されながらも現代まで伝わっていること、扇子や手ぬぐい程度の小道具で様々なシチュエーションを演じること等々。実際に扇子を使って熱々のおそばを食べる様子や、声色だけで子どもからお年寄りまで演じ分ける様子を目の当たりにしてお客様も大いに感心したところで
「これはハオリといいます。下がキモノです。ハオリを脱ぐのは噺が始まる合図です…」
とTENSHIKI(転失気)が始まりました。観客席の大半の皆さんにとっては初めて聴く落語になるこの噺は小僧さんと見栄っ張りの和尚さんのやりとりが面白い一席です。クライマックスに向かうくだりでは、おなかを押さえて笑うお客様がいらっしゃいました。
この後、毎年恒例のQ&A Timeへ。客席からユニークな質問がたくさん飛び出し、これに的確に愉快に答えてくださる志の春さんのやりとりが楽しい時間です。落語がいかにミニマムな所作や表現で世界を作り上げるかということについてひとしきり質問があったあと「あなたにとっての大きな夢や目標はなんですか?」という意外な質問が。「東京ドームで一席…ということはなく、目の前の仕事をコツコツこなしていくことですね」と志の春さん。東京ドームで「総座り」ライブを想像しておかしくなりました。
最後の一席は「禁酒番屋(The Liquor Gate)」。 ある武家で酒をめぐって刃傷沙汰となり、以来酒が一切禁じられ、屋敷の門に番屋も設けられて酒の持ち込みも厳しく取り締まられることとなりました。ある日屋敷内に住む大酒飲み近藤が行きつけの酒屋に無理を言って酒を注文します。この酒をなんとかして届けようとする酒屋の小僧と番人の丁々発止のやりとりがこの噺のメインです。酒屋側は2回も酒を番人に取り上げられ飲まれてしまう。3回目はもう酒を届けることはどうでも良い、タダ酒を飲んだ番人に一矢報いたい。ではどうやって…?
愉快ながらも緊張感の漂う酒屋の小僧と番人のやりとりに耳を澄ませ、いよいよ3回目ともなると皆さんもこらえきれない様子でサゲまで笑いの連続でした。今回の二席を通じて、ご来場の皆さんの心にはどんな「日本」「日本人」イメージが刻まれたでしょうか。
(文:国際室 特任准教授 西野可奈)
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8月5日、落語家立川志の春さんをお招きして RAKUGO Live at Tokyo Tech 2014 を開催いたしました。大学の世界展開力強化事業 TKT Campus Asia,/TiROPサマープログラムの一環として2012年にスタートしたこの企画も今年で3回目となりました。
とくに留学生や外国の方々に日本文化を紹介するための企画ですが、ご覧になった皆さんが伝統文化の紹介を超えた何かを「おみやげ」に持っていっていただけるとうれしいですね、と志の春さん。
まずは落語そのものについての簡単な紹介から始まります。江戸時代にルーツを持ち、そのとき出来た噺が少しずつ改編されながらも現代まで伝わっていること、扇子や手ぬぐい程度の小道具で様々なシチュエーションを演じること等々。実際に扇子を使って熱々のおそばを食べる様子や、声色だけで子どもからお年寄りまで演じ分ける様子を目の当たりにしてお客様も大いに感心したところで
「これはハオリといいます。下がキモノです。ハオリを脱ぐのは噺が始まる合図です…」
とTENSHIKI(転失気)が始まりました。観客席の大半の皆さんにとっては初めて聴く落語になるこの噺は小僧さんと見栄っ張りの和尚さんのやりとりが面白い一席です。クライマックスに向かうくだりでは、おなかを押さえて笑うお客様がいらっしゃいました。
この後、毎年恒例のQ&A Timeへ。客席からユニークな質問がたくさん飛び出し、これに的確に愉快に答えてくださる志の春さんのやりとりが楽しい時間です。落語がいかにミニマムな所作や表現で世界を作り上げるかということについてひとしきり質問があったあと「あなたにとっての大きな夢や目標はなんですか?」という意外な質問が。「東京ドームで一席…ということはなく、目の前の仕事をコツコツこなしていくことですね」と志の春さん。東京ドームで「総座り」ライブを想像しておかしくなりました。
最後の一席は「禁酒番屋(The Liquor Gate)」。 ある武家で酒をめぐって刃傷沙汰となり、以来酒が一切禁じられ、屋敷の門に番屋も設けられて酒の持ち込みも厳しく取り締まられることとなりました。ある日屋敷内に住む大酒飲み近藤が行きつけの酒屋に無理を言って酒を注文します。この酒をなんとかして届けようとする酒屋の小僧と番人の丁々発止のやりとりがこの噺のメインです。酒屋側は2回も酒を番人に取り上げられ飲まれてしまう。3回目はもう酒を届けることはどうでも良い、タダ酒を飲んだ番人に一矢報いたい。ではどうやって…?
愉快ながらも緊張感の漂う酒屋の小僧と番人のやりとりに耳を澄ませ、いよいよ3回目ともなると皆さんもこらえきれない様子でサゲまで笑いの連続でした。今回の二席を通じて、ご来場の皆さんの心にはどんな「日本」「日本人」イメージが刻まれたでしょうか。
(文:国際室 特任准教授 西野可奈)