1 はじめに
(1)大学院合同プログラムの概要等
この合同プログラムは,日本と海外の 2 つの学位が取得できるという,大学院レベルではわが国初のダブル・ディグリープログラムです。参加学生の方は,東京工業大学及び清華大学(中華人民共和国)の双方に修士課程学生として在籍し,日中両大学の指導教員の指導の下,両大学からそれぞれ修士の学位を取得することになります。
そして,このプログラムに参加することにより,国際的リーダーシップを発揮できる優れた理工系人材となることが期待されております。
なお,本プログラムには,ナノテクノロジーコース,バイオコース,社会理工学コースの 3 つが設けられています。
カリキュラムについては,日本語及び中国語を主とし,必要に応じて英語も交えて行われるため,専門領域での知識のみならず,日本語,中国語,英語の三カ国語もあわせて習得することができます。(※入学試験においては,中国語の語学力は選考の対象となっておりません。中国語については,本プログラムが開催している中国語講座を受講することにより,渡中までに十分な語学力を身につけることができるように配慮されております。)
(2)研究期間,標準的スケジュール等
本プログラムの学生の方は,修学の途中で日本-中国間のキャンパスの移動を行います。課程の修了に要する年数は,2年半です。
入学後半年は東工大のみに学籍を有し,その後の2年間は,東工大及び清華大に学籍を有します。
以下に,入学前後から修了までの標準的なスケジュールを示します。
(3)納付金
東京工業大学へは授業料(2年半)等を納付する必要がありますが,清華大学への授業料等は不徴収と同等の扱いとなります。
(4)その他志願者にとっての重要な情報等
東工大生の方は,清華大学滞在時に,東工大教員が清華大学で開講する日本語を用いる講義を受講することにより,一定の単位を取得することができます。 なお,日本-中国間の移動に要する旅費,清華大での生活費は自己負担です。宿舎は清華大が用意したものに入居できます。(およそ80人民元/日,12,300人民元/学期,22,200人民元/年)※このプログラム に参加すると,日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度である海外留学支援制度(短期派遣)や,中国政府奨学金,北京市奨学金に応募することができます。(H26 年度実績)
2 専門コースの概要
(1)ナノテクノロジーコース
本コースは,東京工業大学理学院化学系,工学院電気電子系,物質理工学院材料系,および物質理工学院応用化学系と中国・清華大学大学院の材料科学専攻ほか(材料科学与工程系,化学工程系高分子研究所)などにより構成されています。
本コースでは,理工学を基盤として金属・合金,セラミックス,有機化合物などのナノ構造設計・制御に関する学際的分野,特に,電子材料,デバイス,機械,航空宇宙などの先端材料への応用分野に関する教育・研究及び産業において日中両国で活躍できる有為な人材を育成することを目的とします。
(2)バイオコース
本コースは,東京工業大学生命理工学院生命理工学系と中国・清華大学大学院の化工系専攻、生物系専攻、および生物医学系専攻から構成されています。
本コースでは,理工学を基盤としてバイオサイエンスとバイオテクノロジーに関する学際的分野,特に環境・資源・エネルギー・医療などの分野の教育・研究及び産業において日中両国で活躍できる有為な人材を育成することを目的とします。
(3)社会理工学コース
本コースは,東京工業大学工学院経営工学系,環境・社会理工学院土木・環境工学系,および環境・社会理工学院社会・人間科学系と中国・清華大学大学院の公共管理学院,社会科学学院(「科学技術と社会」分野),人文学院,教育研究院などにより構成されています。
本コースでは,社会理工学を基盤にして意思決定や政策形成に関する学際的分野,特に公共管理,政策科学,知的財産権,科学技術と社会,などの分野で,教育・研究に携わったり,企業や政府,国際機関で指導的立場についたりして,日中両国で活躍できるグローバルな人材を育てることを目的とします。
3 学院・系及び募集人員
4 注意事項
(1) 合同プログラムを志望される方は,はじめに志望する第1志望の指導教員が本プログラムに参加している教 員かどうか確認してください。
ナノテクコースに出願する場合は,試験科目群『物質科学』,『材料工学』,『有機・高分子物質』,『電気電 子工学・電子物理工学』のうちのどれかを,バイオコースに出願する場合は,試験科目群『分子生命科学』,『生体システム』,『生命情報』,『生物プロセス』,『生体分子機能工学』のうちのどれかを,社会理工学コー スに出願する場合は,試験科目群『人間行動システム』,『価値システム』,『経営工学』,『社会工学』のうち のどれかを受験する必要があります。
また当該「試験科目群」に記載されている教員が大学院合同プログラムに参加し指導教員となれる教員となります。
(2) 本プログラムを志望する受験生の方は,清華大学用の入学志願票を使用してください。その他の出願書類は共通です。
(3) 本プログラムを志望する受験生の方は,当該「試験科目群」を受験することにより、「清華大学との大学院合同プログラム」による選抜と、通常の「大学院修士課程」を併願することができます。本プログラムと通常の修士課程入学試験の「併願」を希望される受験生は、清華大学用の入学志願票で”併願を選択ください。
(4)中国国籍を持つ方は,清華大学に留学生として入学することができないため,この志願票で,合同プログラムに出願することができません。先に清華大学大学院の入学試験を受けて合格してから,清華大学の学生として合同プログラムに参加してください。
(5)清華大学大学院の入学試験を受けて合格してから,本プログラムに参加する場合は,本選抜ではなく,国際大学院プログラム(B)(海外出願・東京工業大学-清華大学大学院合同プログラム)修士課程入学者選抜試験を受験することになります。