運営委員長挨拶
東京科学大学と清華大学
東京科学大学 大学院合同プログラム運営委員長
猪原 健弘 教授
国際的・世界的視野と多様な人々とのネットワークを備えたSTEAM人材を育成
私たちの「東京科学大学・清華大学 大学院合同プログラム」は2004年に日本初の大学院レベルのダブル・ディグリープログラムとしてスタートしました。2つの国での学修と研究への熱意あふれる学生のみなさまの積極的な参加を得ることができ、また、スポンサー企業のみなさまからの力強いご支援を賜り、そして、両大学が互いを尊重しあってさまざまな差異や困難を乗り越えながら緊密な交流や連携を建設的に継続してきたことで、これまでの約20年間の間に、ナノテクノロジー、バイオ、社会理工学の3つのコース合計で250名以上の学生のみなさまの派遣・受入を実現することができました。
この優れた実績の上に、さらに新たな取り組みを重ね、専門分野における高度な知識やイノベーション力はもちろんのこと、日中両国の歴史や文化や習慣の深い理解をもとに広く世界を捉えることができる視野、そして、日本語・中国語・英語を駆使して展開する豊かなコミュニケーションの力を備え、それぞれが持つ個人の力とプログラムで広がっていく多様な人々とのネットワークを活用することで、日本と中国さらには世界に、ESG(Environment, Social, Governance)、SDGs(Sustainable Development Goals)、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)などの諸側面から貢献する人材を育成して参ります。私たちが育成するのは、国際的・世界的な視野(International and Global Perspective:)と多様な人々とのネットワーク(Network with Diverse People)を持つSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)人材といえるでしょう。
私たちの「東京科学大学・清華大学 大学院合同プログラム」に、これまで以上のご参加とご期待、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
清華大学 大学院合同プログラム運営委員長
张 翀 教授
国際社会でフロントランナーとなる能力を備えたクリエイティブな才能の育成
今日、世界はグローバル化の時代に突入しています。環境、エネルギー、安全保障問題など、私たちの社会に関する重要な問題を解決し、人類がより良い未来を得るために、国籍や文化が異なる多種多様な人々がコミュニケーションを取り合い、英知を結集しています。 とりわけ大学では、学生達は今後社会に出た際に訪れるであろうチャンスや困難に立ち向かうことができるよう成長する必要があります。ではどうやって大学がその役割を担うのか? その答えは、国際社会で勝ち抜くために必要な能力の育成にかかっています。大学では、学生達は国際的で多文化的な環境で多種多様な人々と効果的に学習し、研究を行い、コミュニケーションを取るための十分な能力を身に付けていきます。
中国と日本の間で最初の大学院修士課程デュアルディグリープログラムである我々のプログラムは、清華大学と東京科学大学の両方の資源と特色を十分に活用して、国際社会でフロントランナーとなる能力を備えた才能を育成する国際的なプラットフォームを養成してきました。 16年間、多様性と卓越性により、2つの大学から合計229人の学生を双方に派遣し、うち180人以上の学生が卒業を果たし、人類のより良い社会への取り組みに貢献しています。
今後も、生命科学、ナノテクノロジー、社会科学など、さまざまな分野でグローバルなリーダーシップと国際社会でフロントランナーとなる能力を備えた有望な若者の才能を育成していきます。このプログラムの卒業生たちは、最先端テクノロジーと社会科学の発展を主導する責任を担い、そして中国と日本の学生双方が両国間の社会的、産業的協力の架け橋としての役割を果たしていくことでしょう。